特発性正常圧水頭症は、くも膜下出血、脳室内出血等の原因に関係なく脳室内の水である脳脊髄液が通過障害、吸収障害をきたし、脳室内に水がたまり脳の機能障害が起こる病気です。原因は分からず、高齢者に多く見られ、その症状に特徴があります。特発性正常圧水頭症には歩行障害、認知障害、尿失禁の3つの主症状があり、中でも重要なのが歩行障害で、最初に現れる症状である場合が多く、他の認知症が現れるレビー小体病等の病気と区別する基準になります。
歩行障害は歩行が不安定で、歩幅の減少、足が上げづらいためすり足になったり、歩隔を拡げて歩くようになることが特徴で、歩行がゆっくりで、外股、方向転換が困難で転倒しやすくなります。障害が強くなると、第一歩が出ずに歩き始められなくなったり、立ちっぱなしでいる事ができなくなります。
歩行障害に次いで現れるのが認知症で、軽い物忘れや注意機能の障害、思考速度や集中力、反応速度の低下、他にも自発性や意欲、作業速度の低下などがおこります。例えば、周囲の物事に反応しなくなったり、一日中ボーっとした状態になって、さらに症状が進むと様々な認知症状が現れる可能性があります。
また切迫性尿失禁は歩行障害や認知症と比べて遅くにあらわれる症状で、トイレが近くなる頻尿や、我慢できる時間が短くなる尿意切迫等の症状に、歩行障害も重なり、トイレに間に合わずに失禁してしまう事があります。
しかし特発性正常圧水頭症は他の認知症と違い症状が出てから何年も経っていても改善することも多く、手術後に回復する可能性が多いにあります。