アルツハイマー型認知症は、未だ原因不明の病気ですがいくつかわかっている事があり、物忘れや記憶障害、徘徊などの外から見える症状の他に脳の内部の症状があり、大脳皮質の著しい萎縮、神経伝達物質の異常、老人斑や神経原繊維変化による神経細胞の脱落という大きな3つの変化による原因が考えられます。
大脳皮質の著しい萎縮とは、脳全体の特に側頭葉や頭頂葉の萎縮を指し、正常な成人の脳の大きさは1,400gであるのに対し、発症してから10年経過すると800~900g以下に減ってしまいます。これは経細胞を死滅させる毒性を持つβタンパク質がアミロイドとよばれる細い線維を形成し、脳細胞に蓄積されていくことで神経細胞は死滅し、脳の萎縮が始まります。
神経伝達物質の異常は、アセチルコリンやノルアドレナリン、GABAであるγ-アミノ酪酸といった様々な神経伝達物質が減少して障害を起こす事が知られており、特に、記憶の働きに関わる神経伝達物質アセチルコリンの減少が強いことが明らかになっています。
アルツハイマーの人の脳を観察すると、老人斑と言われる神経細胞と神経細胞の間にシミのように見えるタンパク質の蓄積や、神経細胞の中に繊維状に蓄積する神経原線維変化が見られこれがアルツハイマーの原因であるとされてきた。老人斑は元々加齢に伴う皮膚表面の色素沈着を指していたが、アルツハイマーが世間に広く認知された事で、原因と考えられる脳内のシミを指す事が一般的になりました。しかし最近の研究でアルツハイマーの直接の原因は老人斑ではなく、老人斑がなくてもアミロイドベータが溜ると発症する事が判明し、これまで老人斑とアミロイドベータによって引き起こされているという説が否定される事がわかりました。